水は激流になったり、急流になったり、そして穏やかにゆったりと流れる。
そのときの自分の与えられた状況や環境によって、自分の置き方を変えているものである。
まさに、自然体といえるのである。禅の世界では『水を人の生き方』として教え、水五訓がある。
「自ら活動して他を動かしむるは水なり」
「常に己の進路を求めて止まらざるは水なり」
「障害に逢いて激しく勢力を倍加するは水なり」
「自ら潔くして他の汚濁を洗い、清濁を合わせいるる量あるは水なり」
「洋々といして、大洋を充たし、発には蒸気となり、雪と変じ、霰と化し、凝しては玲瓏たる鏡となり、而かも其性を失わざるは水なり」